北京から世界へ。ロボットが21kmを走った日—テクノロジーと都市の未来をつなぐ現場からのレポート
おはようございます。深セン在住の吉川です。
中国・深センでの子育て生活も、気づけば3か月目に入りました。
自称“そこそこ育メン”として奮闘する毎日ですが、やはり物理的な稼働時間の減少と、睡眠不足によるパフォーマンスの低下は否めず……。
ついに、深センの新卒社員並みの月給で「阿姨(お手伝いさん)」を雇うことにしました。生活コストは上昇気味ですが、その分お仕事も本気で探しております。もし「吉川にこれお願いしたら面白いかも?」と思う案件がありましたら、キラーパスでも構いませんのでぜひご一報ください。
さて、今回のニュースレターは、私がSNSで実況し、GMO熊谷さんにもシェアされるほど話題となった「北京ロボットハーフマラソン」についてお届けします。
“ロボットが21kmを走る”——その裏にあるのは、ただのテックショーではなく、社会と都市を巻き込んだ壮大な実証実験でした。
現場の熱を肌で感じた視点から、深センの技術力や中国の国家戦略とあわせて、詳しくレポートしていきます。

これは技術の進化だけではなく、深センが“ハードウェアのシリコンバレー”だと、世界に示した日でもあると思います。
未来って、こんなふうに始まるんだなと実感しました。
2025年4月19日、北京市・経済技術開発区(通称:北京亦庄)で、世界で初めてとなる「人型ロボットによるハーフマラソン」が開催されました。その名も「2025北京亦庄ハーフマラソン 人型ロボット部門」。この大会は、人間とロボットがそれぞれ別の専用コースを並走するという革新的なフォーマットで、多くのメディアと業界関係者の注目を集めました。
総距離21.0975kmの本格的なハーフマラソンには、約2万人の人間のランナーとともに、20体のロボットが出場。いずれも研究機関やテック企業が開発した最新鋭の人型ロボットであり、北京市が重点支援する「人型ロボットイノベーションセンター」と地元の産業政策が密接に連動した、都市主導型のプロジェクトとして開催された点も注目すべきポイントです。
この大会の意義は、単なる話題性にとどまりません。人間と同じ距離を、自律移動で走り切るロボットの姿は、社会実装の準備が整いつつあることを示すシンボリックな出来事でした。これまで屋内や限られたフィールドでのデモンストレーションが主流だった人型ロボットが、都市のインフラとともに走るということ。それは、未来の都市におけるロボティクスと人間社会の関係性が、もはや構想段階を超えて“実証”へと進んでいることを証明したのです。

ロボットが走る21km—技術ではなく“環境との対話”
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- 天工Ultraの実力と、UBTECHの歩み
- 深センの名声を世界に轟かせた一日
- 国家戦略としての「人型ロボット産業」支援
- おわりに:現場に宿る未来を、どう読み解くか
- 最後に|“現場からの視点”が必要なときは、ぜひお声がけください
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