次世代モビリティの現場へ─XiaomiのEV工場で見たスマート製造の最前線
おはようございます。中国・深セン在住の吉川です。先日、約7年ぶりに北京を訪れる機会がありました。私にとって北京は、2011年に留学していた場所であり、私の中国生活の原点でもある都市です。前回訪れたのは2018年、知人を観光案内する目的で訪れたのが最後でしたが、今回の訪問はそれ以来。まさに久しぶりの再訪となりました。
久々に訪れた北京の街は地下鉄を始めとする交通インフラが整備される一方で、観光地では事前予約やセキュリティが厳しくなり、以前のように気軽に立ち寄るのが難しくなっていました。紫禁城は当日予約が取れず門の前で断念、天安門広場では自転車の走行禁止や退場時の荷物検査もあり、街の風景とともに“観光のかたち”も変化していることを実感しました。
もっとも、今回の北京訪問の目的は観光ではありません。タイトルにもある通り、私はXiaomiの電動車製造の中核を担う「Xiaomiスーパーファクトリー」を訪問するため、深センから北京に足を運びました。Xiaomiが初めて手がけたEV「SU7」がどのような工程を経て世に送り出されているのか、その“最前線”に直接触れるためです。

工場の入口のカーペットです。着くやいなやご案内していただき、工場全体がわかる写真を撮り損ねました。
実はありがたいことに、今回はXiaomiジャパンのご担当者様より直接ご案内をいただき、現地ではXiaomi本社の方々の丁寧な対応のもと、通常は公開されていないエリアも含めて見学させていただくことができました。製造技術、組立精度、そしてブランドとしての哲学がいかに現場に反映されているのか─そのすべてを間近に体感できた今回の訪問は、私にとって非常に刺激的で学びの多い経験となりました。この場を借りて、Xiaomiジャパンと現地スタッフの皆さまに、心より御礼申し上げます。
現在このスーパーファクトリーは、見学希望者が後を絶たず、中国国内では「人気が高すぎて予約が取りづらい工場」として報じられるほど話題になっています。これは単にXiaomiブランドへの注目が高まっているというだけでなく、同社が手がける製造技術の革新性、そして製造現場の“見せ方”に至るまで非常に洗練されているからこそといえます。製造業を舞台にしながらも、エンターテインメント性すら感じさせるこの工場は、まさに「未来のものづくり」を体験できる場でした。

EV展示ルームの一角。XiaomiSU7 Ultraは1100万円以上する高級EVで人気の車種。いつかは乗りたい...
なお、生産ラインは撮影厳禁というルールが設けられており、スマートフォンやカメラを用いた記録は一切行えませんでした。見学中に目にした映像を直接お見せできないのは心苦しい限りですが、実際の風景は私の目と記憶に深く焼きついています。中国国内のプラットフォームやYouTube上には、Xiaomiが公開している公式映像や紹介動画がいくつか存在しますので、工場全体の雰囲気や設備の概要を知るうえでは、そうした映像もあわせてご覧いただくことをおすすめします。
🎥 工場紹介動画 → https://youtu.be/Yk6lRWpdZBc?feature=shared
圧倒的スケールの“次世代製造都市”
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