開発ラッシュの深セン、40年前に土地を買えていたら?
みなさん、こんばんは。深セン在住の吉川です。皆様、大変お待たせいたしました。いや、待たせすぎたかもしれません。
先々週は張り切ってレターを書くつもりでしたが、まさかの豚インフルエンザに患ってしまいましてこのように遅れてしまいました。また先週はTBSの仕事で重慶に行ったり、面白いビジネスのネタがあるので湖南省長沙市にも出張しておりました。
TBS THE TIME, 2023/4/11放送時の写真(友人提供)
中国のお金持ちは資産のみならず、ビジネスの発想やネットワーク、実行力が桁違いで学ぶこと多く、ハングリー精神を分けて貰える気がします
皆様に共有してみたい中国現地のトレンドやサービスはたくさんあるけれども、いきなりシェアしたところで『あなた一体どんなところに住んでるんでしたっけ?』という疑問も持たれる可能性もあるので、今回は初回なので、深センはどんな街かをというしようと思います。
無論、深センに来たことある方も住んでいる方も既知情報と思いますので読み飛ばして結構です。
深センは南には香港、西には広州が位置する広東省の一流都市の一つ。中国国内外でも北京、上海、広州、深セン、この四つの都市が一流都市として取り上げられます。その中でも深センはとりわけ平均年齢が若く、また街としては歴史が浅く、最もハイテク化に成功した実験都市です。スタートアップ的な要素を持っている都市とも言えます。
深セン市民中心から見えるLEDライトアップショー
もともとは漁村でしたが、ポスト毛沢東のトウ小平が改革開放として深センを経済特区に選び、そこから今の深センが作られています。つまり深センの歴史はたった40数年しかありません。逆に言うと、この四十年間で圧倒的な成長を遂げた中国の唯一の都市であります。この成功モデルを模倣して、上海浦東新区や河北省雄安新区も開発されており、第二、第三のデジタル都市深センが生まれるのも時間の問題でしょう。
深センの他には珠海、汕頭、アモイの合計四つの都市が経済特区に選ばれましたが、最も成功した経済特区は深セン。火を見るよりも明らかです。
その中でも汕頭は最も貧しい地方であり、経済特区に選ばれたにもかかわらず、多くの方が、そのタイミングで深センに潜り込み、深センで一代で財を成した方々がたくさんいます。
そのため深センのビジネスを支えているのは、基本的にこの潮汕人、別称中国のユダヤ人たちです。有名どころでいうとテンセント創業者のポニーマー、香港不動産王の李家誠がこの民族です。
深センに元々住んでいた漁民たちは学歴が高いわけでもなく、高度なビジネスをしていたわけでもありません。都市開発の初期段階では、政府が街をダイナマイトで破壊して平地にしてきたのですが、その際現地人たちは立ち退きさせられる代わりに新しい家を与えられ、その後不動産売却したり、不動産を抵当に入れて他の不動産を沢山購入してオーナー業を務めてお金持ちになっています。