日本でハードウェアのベンチャー企業が生まれにくい理由を深センから考える
深セン在住の筆者が大阪の展示会体験を起点に、日本でハードウェア起業が増えにくい構造を整理。資金・量産・失敗の重さと、API活用で磨くUI/UXの勝ち筋を具体に語ります。東京とは違う可能性も踏まえ、予約販売から発送までの学びや泥臭い現場感、海外サプライチェーンとの組み方も共有です。
吉川真人
2025.12.22
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おはようございます。中国深セン在住で日本出張中の吉川です。
先日、大阪のスタートアップ展示会に出展してきました。最初に前提をはっきり書いておくと、今日の話は大阪のその会場で私が見聞きした空気感を起点にしています。東京のスタートアップ色が強い展示会や、大学発のディープテックが集まる場だと雰囲気は違うはずで、今回の印象だけで日本全体を決めつけたいわけではありません。その上で、なぜハードウェアの挑戦者が相対的に少なく見えやすいのか、深センで生産し日本向けに販売している立場から、構造として詰まりやすいポイントを整理してみます。
大阪で見えた景色
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続きは、6722文字あります。
- 触れられる強さと、複雑な気持ち
- カネの壁は資金調達ではなく資金の使い方に出る
- 受託で稼ぐという定説の良さと、混ざりやすい落とし穴
- モノの壁は技術よりも量産の仕事の仕方に出る
- ヒトの壁は完璧主義そのものではなく、完璧主義の置き場所がないこと
- ハードウェアは泥臭いが、子どもが育つ感覚がある
- 日本発を増やすために必要なのは精神論より設計
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