中国はドローンデリバリーがすでに普及!市場規模や利便性を徹底解説
皆さん、こんにちは。深セン在住の吉川真人です。久しぶりにTheLetterを執筆することになりましたので、今後は毎週月曜日朝に配信して参ります。
今回は、普段私が身近に感じている中国のドローンデリバリー市場について、現状を皆さんにシェアできればと思います。深センはテクノロジーの最先端が集まる都市であり、ドローンデリバリーが日常生活に溶け込みつつあります。ここから見えてくる中国の物流革命、その中で急速に拡大するドローンデリバリー市場の現状と将来性について、一緒に見ていきましょう。合計2回に分けて中国のドローンデリバリーに関する内容を配信していきます。
中国のドローンデリバリー市場規模
中国におけるドローンデリバリー市場は、ここ数年で驚異的なスピードで拡大しており、今後もその成長が続くと予測されています。QY Researchの報告によれば、2030年までに中国のドローンデリバリー市場の規模は約2,000億元に達すると見込まれており、これは中国の物流業界にとって非常に大きな変革をもたらすことを示唆しています。
QY Research
この成長の背景には、いくつかの要因があります。まず、都市部の人口密集地における「ラストワンマイル」配送の需要が急増していることが挙げられます。これまで、都市部では交通渋滞やインフラの制約により、配送効率が低下するケースが多く見られました。特に、繁忙時間帯や狭い路地では、従来の車両やバイクによる配送が遅延することがしばしば問題となっていました。しかし、ドローンを利用した配送は、こうした問題を解決する手段として注目されています。ドローンは空を飛ぶため、地上の交通状況に影響されることなく、短時間で荷物を目的地に届けることができるため、都市部でのラストワンマイル配送においてその有効性が証明されています。
また、ドローンデリバリーの需要が特に高まっているのは、アクセスが難しい地域での物資輸送です。中国は広大な国土を持ち、山岳地帯や離島、インフラが十分に整っていない農村部など、従来の物流手段では物資を運ぶのが困難な地域が数多く存在します。こうした地域で、ドローンは新たな輸送手段として大きな役割を果たしており、これまで数日かかっていた輸送が数時間で完了するケースが増えています。特に、緊急時の医療物資や生活必需品の供給において、ドローンは命を救う役割を果たすため、その重要性はますます高まっています。