ロボット運動会に来年もまた行きたいと思った理由。中国が無料公開した2500時間
おはようございます。中国深セン在住の吉川です。
前回(8月24日号)では、北京で開催された世界ロボット大会(WRC 2026)の会場から、中国のロボット産業がどこまで来ているかを書きました。同じ北京では、WRCの会期後半と重なる形で、もう一つ大きなロボットイベントが開かれていました。第2回世界人型ロボット運動会です。昨年の第1回大会は動画越しに見ているだけでしたが、今年は実際に会場へ2日間足を運びました。

メーカーの修理部隊も待機してるので壊れてもすぐに治す体制や担架で怪我机器人を運ぶレスキュー部隊も敷かれている北京ロボット運動会で、間近で見ててワクワクハラハラしましたし学びがたくさんありました。
大会が終わったあと、最初に思ったのは意外にも、来年もまた来たいな、でした。速いロボットを見られたからではありません。むしろ逆で、いちばん面白かったのは、ロボットがうまくいかない瞬間でした。

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なぜ、転んだロボットのほうが心に残ったのか

普段、ロボット企業がSNSや展示会で見せる映像は、成功した場面ばかりです。何度も試した中から、いちばんきれいに動いた瞬間だけを切り取っています。
競技会はそうはいきません。ロボットは転びますし、物を取り損ねますし、途中で止まります。面白いのはそこからで、チームはロボットを戻して、原因を調べ、調整して、また競技へ送り出します。壊れたら直す。うまくいかなければ設定を変える。もう一度やる。このやりとりが、会場のあちこちで一日中繰り返されていました。

目の前でこけた燃えて、消化器で火消し作業しておりました
ロボットが転ぶと、会場では笑いが起きます。ただ、これは失敗をからかう笑いではありません。立ち上がったり、もう一度挑戦したりすると拍手が起こる。まだ完成していない技術を、みんなで一緒に見守っているような空気でした。
慌てている様子は、あまり見えませんでした。壊れることも、直すことも、最初から想定の範囲内という感じで、淡々と作業が進んでいく。この落ち着き方のほうが、私にはロボットの性能そのものより印象に残りました。

私は深センでロボット企業や展示会をかなり見てきましたが、完成する前のものを外へ出して、大勢の前で試す、という感覚は、中国の技術開発を理解するうえでかなり重要だと思っています。研究室の中で完璧になるまで抱え込まず、とりあえず出す。失敗する。直す。また試す。この破壊的なサイクルが回るスピードが、私が普段見ている深センの展示会よりもさらに速い、という印象を持ちました。
