日本のTikTokが変わるかも?カート機能実装の可能性とビジネスチャンス

日本版TikTokにカート機能が登場するかも?エンタメとショッピングが一体化する新しい購買体験が日本市場にどんな影響をもたらすのかを深掘りしました。抖音との違いやライバー文化の比較も含め、日本版TikTokの未来を一緒に考察していきましょう。
吉川真人 2024.11.04
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おはようございます。中国・深セン在住の吉川です。先月、日本に約1ヶ月ほど滞在し、ようやく深センに戻ってまいりました。日本での平和な日々を満喫したおかげで、深センに戻ると「ここは修羅の国だな」と感じてしまうこともしばしばです。今日は11月3日、中国時間の朝7時。セブンイレブンでコーヒーを片手に、このニュースレターをお届けしています。この後は、深センで活動する日本人野球チームの公式戦に参加予定です。試合前のひととき、少し気合を入れつつ、日本と中国のビジネスやテクノロジー事情についてお話ししていきたいと思います。

さて、最近、「来年、日本のTikTokに正式にカート機能が導入されるよ」という噂を耳にする機会が増えました。ここ数年、毎年話題になるこの「カート機能実装予言」ですが、あまり確実とは言えず、まるでノストラダムスの予言のようです。しかし、もし本当にカート機能が搭載されたら、日本のTikTokがどのように進化し、日本のユーザーにどんな影響を与えるのかについて考えてみるのも面白いかもしれません。

私自身、普段から中国の抖音(Douyin)を利用しているユーザーの一人です。抖音にはすでに多機能なカート機能が実装されており、ショッピングとエンターテインメントが融合した世界が当たり前のものとなっています。抖音は日本のTikTokがまだ到達していない「未来」をすでに体現しているアプリとも言えます。今回は、そんな抖音と比べながら、もし日本版TikTokにカート機能が実装された場合、どのような進化が期待されるのか、具体的に考察してみたいと思います。

1. 日本のTikTokにカート機能が実装されるかも

日本市場でのTikTokカート機能の実装が噂されるようになったのはここ数年のことですが、いよいよ来年には本格的に導入されるのではないかと言われています。カート機能、あるいは「小黄车(TikTok Shop)」は、現在アメリカ、イギリス、東南アジアの一部で展開され、特に東南アジアでは若い世代を中心に急速に人気を集めている機能です。この機能は、TikTok上で視聴者が動画やライブ配信を見ながら、その場で商品を購入できるシームレスな買い物体験を提供します。

もし日本のTikTokにこの機能が導入されれば、4000万人を超える国内ユーザーにとって画期的な購買手段が生まれ、消費行動に大きな変化をもたらすでしょう。日本市場には他にも多くのECプラットフォームがありますが、TikTokのようにエンターテインメントを通じて購買意欲を引き出す仕組みを提供するサービスはほとんどありません。このため、カート機能が導入されれば、特に若年層を中心に新しいショッピング体験として浸透する可能性が高いです。

2. カート機能があればどんな使い方ができるようになるのか

カート機能が日本のTikTokに実装されると、ユーザーは視聴中の動画やライブ配信を楽しみながら、その場で商品を購入できるようになります。中国版抖音の例を参考に、カート機能によって具体的にどのような使い方が広がるのかを見ていきましょう。

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続きは、6313文字あります。
  • 3. カート機能によって生まれる新しい購買体験とマーケティングの可能性
  • 4. 日本と中国のライバー文化の違い
  • 5. 将来のTikTokを活用したマネタイズ方法
  • 6. 抖音にあって日本のTikTokにない機能
  • 7. まとめ
  • ONE MORE THING...

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